附属図書館企画展
「琉球大学で学んだ文学者たち」

 琉球大学の卒業生には芥川賞作家を始めとして文学各界で活躍している人が数多くいます。附属図書館ではこれらの方々の紹介を目的に、平成19年9月10日から10月31日の間、著作パノラマ展を開催しました。今回、展示内容を抜粋してご紹介します。

沖縄で三人目の芥川賞受賞
又吉栄喜(またよし・えいき)

 小説家。1947年、沖縄県浦添市生まれ。琉球大学法文学部史学科卒。学生時代から創作を手がけ、1975年に「海は蒼く」で第1回新沖縄文学賞佳作。1976年「カーニバル闘牛大会」で第4回琉球新報短編小説賞。1978年「ジョージが射殺した猪」で第8回九州芸術祭文学賞最優秀賞。1978年第13回沖縄タイムス芸術選賞奨励賞。1980年「ギンネム屋敷」で第4回すばる文学賞。1996年「豚の報い」で第114回芥川賞。1996年第30回沖縄タイムス芸術選賞大賞。その作品は英語、仏語、中国語、ルーマニア語などに訳されている。1999年に「豚の報い」が崔洋一監督で映画化される。沖縄の風土や自らの戦後の体験、風景を取り入れた作品が多い。


沖縄で四人目の芥川賞受賞
目取真俊(めどるま・しゅん)

 小説家。1960年、沖縄県今帰仁村生まれ。琉球大学法文学部文学科国文学専攻卒。1983年に「魚群記」で第11回琉球新報短編小説賞。1986年「平和通りと名付けられた街を歩いて」で第12回新沖縄文学賞。1996年「水滴」で第27回九州芸術祭文学賞地区優秀。1997年に「水滴」で第117回芥川賞。2000年に、「魂(まぶい)込め」で川端康成文学賞。同年、同作で木山捷平文学賞も受賞。沖縄戦、戦後の米軍基地問題など沖縄が置かれている状況に根ざした作品が多い。2004年に自作を自らシナリオ化し、東陽一監督で映画化された「風音」は第28回モントリオール世界映画祭・イノベーション賞を受賞した。小説発表のかたわら政治・社会状況に対しても積極的に発言している。


小説

■又吉栄喜(またよし・えいき)/小説/1947/法文学部
[著作]海の微睡(まどろ)み(光文社,2000)/陸蟹たちの行進(新潮社,2000)/果報は海から(文芸春秋,1998)/木登り豚(那覇:カルチュア出版,那覇池宮商会出版部(発売),1996)/ギンネム屋敷(集英社,1981,1980年第4回すばる文学賞受賞作品)/鯨岩(光文社,2003)/巡査の首(講談社,2003)/人骨展示館(文芸春秋,2002)/夏休みの狩り(光文社,2007)/波の上のマリア(角川書店,1998)/パラシュート兵のプレゼント:短篇小説集(海風社,1988)/豚の報い(文藝春秋,1996,第114回芥川賞受賞作品)/Histoire d'un squelette ; roman traduit du japonais par Patrick Arles : Philippe Picquier , c2006/ジョージが射殺した猪1冊(64枚)直筆原稿(400字詰)(琉球大学附属図書館所蔵)(1978年第8回九州芸術祭文学賞受賞作品)

■目取真 俊(めどるま・しゅん)/小説/1960/法文学部
[著作]沖縄:草の声・根の意志(世織書房,2001)/沖縄「戦後」ゼロ年(日本放送出版協会,2005)/沖縄/地を読む時を見る(世織書房,2006)/群蝶の木(朝日新聞社,2001)/水滴(文藝春秋,1997,第117回芥川賞受賞作品)/虹の鳥(影書房,2006)/風音:Thecryingwind(リトル・モア,2004)/平和通りと名付けられた街を歩いて:目取真俊初期短篇集(影書房,2003)/魂込め(まぶいぐみ)(朝日新聞社,1999,2000年第26回川端康成文学賞,第4回木山捷平文学賞)

■崎山多美(さきやま・たみ)/小説/1954/法文学部
[著作]くりかえしがえし(砂子屋書房,1994)/コトバの生まれる場所(砂子屋書房,2004)/南島小景(砂子屋書房,1996)/ムイアニ由来記(砂子屋書房,1999)/ゆらてぃくゆりてぃく(講談社,2003)

■大城貞俊(おおしろ・さだとし)/小説/1949/法文学部
[著作]小説=椎の川(朝日新聞社,1993,具志川市民文学賞)/アトムたちの空(講談社,2005,第3回文の京文芸賞)/記憶から記憶へ(文芸社,2005)/運転代行人(新風舎,2006,第24回新風舎出版賞フィクション部門優秀賞受賞)
詩集=秩序への不安:大城貞俊詩集(コロニー印刷所(印刷),1980)/夢・夢夢街道:大城貞俊詩集(編集工房貘,1989)/大城貞俊詩集(脈発行所,1991)/グッドバイ・詩/(芸出版,1994)/或いは取るに足りない小さな物語:大城貞俊詩集(なんよう文庫,2004,第28回山之口貘賞)評論=沖縄戦後詩史(編集工房貘,1989)/沖縄戦後詩人論(編集工房貘,1989)/憂鬱なる系譜:「沖縄・戦後詩史」増補(ZO企画,1994)
戯曲=山のサバニ(那覇出版社,1998,第1回沖縄市戯曲大賞受賞作品)

■田場美津子(たば・みつこ)/小説/1947/短大部
[著作]仮眠室(福武書店,1988)

■樹乃タルオ(きの・たるお)(本名:池宮城秀一)/小説/1939/法文学部
[著作]燠(平山印刷,1996)/存在はかすめとる手つき似て―池宮城秀一作品集(1973)

■新崎恭太郎(あらさき・きょうたろう)(本名:吉里真輝)/小説/1940/法文学部
[著作]蘇鉄の村(島尻書店,1984)

■池田誠利(いけだ・まさとし)/小説/1936
鴨の行方(1981)

■上地隆祐(うえち・たかひろ)(筆名:香深空也人(かふか・からやん))/小説・音楽評論/1948/法文学部
シャイアンの女(2005),
[著作]アメリカ・オーケストラの旅:アメリカの交響楽団とその背景(新報出版,1979),アメリカのオーケストラ(泰流社,1989),アメリカの交響楽団東京(泰流社,1987),遥かなるオルフェウス:辺境からの洋楽通信(那覇出版社,1988)

■我如古修二(がねこ・しゅうじ)(本名:比嘉秀喜)/小説/1952
デブのボンゴに揺られて(1980),耳切り坊主の唄(1991),この世の眺め(1995)

■國吉高史(くによし・たかし)/小説/1948/理学部
憧れ(1997),砂上の眸(1999),海上の墓碑(2001),バードハウス(2006)

■崎山麻夫(さきやま・あさお)(本名:崎浜秀俊)/小説/1949/法文学部
軍人節(1991),絆(1995),桜(1995),闇の向こうへ(1996),ダバオ巡礼(1997),妖魔(1997)

■小橋啓生(しょうはし・けいせい)(別名:小橋玲)(本名:小橋川博)/小説/1944/法文学部
小説=溶解(1975),蛍(1982)
[著作] 句集=水の脈(1985,旭堂),天の川(1989,近代文芸社),紅たちてゆく女(1991,同),紅蛍(1992,同),夢幻航海(2006,東京四季出版)

■知念正昭(ちねん・まさあき)/小説/1951/法文学部
シンナ(1988)

■中原 晋(なかはら・しん)(本名:山里勝己)/小説/1949/法文学部
銀のオートバイ(1977),
[著作]場所を生きる―ゲーリー・スナイダーの世界―(山と渓谷社,2006),ゲーリー・スナイダー「終わりなき山河」(共訳,思潮社,2000),自然と文学のダイアローグ都市・田園・野生(彩流社,共編,2004)

■仲村渠ハツ(なかんだかり・はつ)(本名:呉屋初枝)/小説/1950/法文学部
約束(1981),母たち女たち(1982),旅人(1983),陳情(1989)

■平田健太郎(ひらた・けんたろう)(本名:富永健)/小説/1953/工学部
ニュータウン(1984),侵入者(1987),蜉蝣の日(1987)

■美里敏則(みさと・としのり)/小説/1941/法文学部
ツル婆さんの場合(2000)

■宮里尚安(みやざと・しょうあん)/小説/1941/法文学部
トタン屋根の煙(1973),翁の館(1975),風化の里(1976),馬走らす(1979)
[著作]夏の大将(1991)


■赤嶺盛勝(あかみね・せいしょう)/詩/1943/法文学部
[著作] 第一詩集・夢のかけら(1993),第二詩集・夢のかけら II (2005)

■新川明(あらかわ・あきら)/詩・ジャーナリスト/1931/法文学部
[著作] 詩画集=日本がみえる(1983,共著),異族と天皇の国家(1973),新南島風土記(1978,毎日出版文化賞),琉球処分以後(1981),りゅう子の白い旗(1985,共著),反国家の兇区(1996),沖縄・統合と反逆(2000),オヤケ・アカハチ物語(2003,共著)

■上原紀善(うえはら・きぜん)/詩/1943/理学部
[著作] 詩集=開閉(1989),サンサンサン(1992,第15回山之口貘賞),ふりろんろん(1993),原始人(1995),嘉手志(1996),燃える緑(2004)

■岡本定勝(おかもと・さだかつ)/詩/1937/法文学部
[著作] 記憶の種子(2006,第29回山之口貘賞)

■沖野裕美(おきの・ひろみ)(本名:仲地裕子)/詩/1945/法文学部
[著作] ソールランドを素足の女が(1973,思潮社,第3回高見順賞次席),カルサイトの筏の上に(1978,オリジナル企画),無蔵よ(2000,第31回高見順賞次席),魔術師(2006,久米島出版社)

■川満信一(かわみつ・しんいち)/詩・評論/1932/法文学部
[著作] 川満信一詩集(1977),沖縄・根からの問い(1977),沖縄・自立と共生の思想(1987),宮古歴史物語(2004),詩集・世紀末のラブレター(1994),川満信一コラム文庫 I ,II , III (1995)

■桐野繁(きりの・しげる)(本名:今別府邦洋)/詩/1963
[著作] すからむうしゅうの夜(2001)

■清田政信(きよた・まさのぶ)/詩・評論/1937/法文学部
[著作] 詩集=遠い朝・眼の歩み(1963,詩学社),光と風の対話(1978,思潮社),清田政信詩集(1975,永井出版企画),疼きの橋(1978,永井出版企画),瞳詩編(1982,沖積社),南溟(1982),渚詩編(1982,海風社),碧詩編(1984,七月堂)
評論集=流離と不可能性(1970,発想編集部),情念の力学(1980),抒情の浮域(1981,沖積舎),造型の彼方(1984,ひるぎ社)

■東風平恵典(こちんだ・けいてん)/詩/1938/法文学部
[著作] 詩集=嵐のまえぶれ(2004)

■田中真人(たなか・まさと)/詩・評論/1944/法文学部
[著作] 星への歩み(1971,思潮社),クラゴウの流れまで(1982,海風社),私の介護の日々(1999,家の光協会出版局)

■新城兵一(しんじょう・たけかず)/詩/1943/理学部
[著作] 詩集=未決の囚人(1976,国文社),流亡と飢渇(1979,根元書房,第1回沖縄タイムス出版文化賞),無名記(1980,根元書房),愛あるいは夢殺し(1981,根元書房),風にまみれて(1986,白地社),エチカ(1988,沖縄自分史センター),新城兵一詩集(沖縄現代詩文庫4,1989,脈発行所),流動するもの(1990,同),新城兵一詩集(1993,同),生命(ひびき)あり(1995,白地社)
評論集=負荷と転位(1993,脈発行所),生存と仮構(1993,同)

■中里友豪(なかざと・ゆうごう)(本名:仲里朝豪)/詩・演劇/1936/法文学部
[著作] 詩集=コザ・吃音の夜のバラード(1984),任意の夜(1986),ラグーン(1989),遠い風(1998)(第21回山之口貘賞)
エッセイ集=思念の砂丘(1997)
戯曲=越境者たち(2000,第4回沖縄市戯曲大賞)  詩画集=トスカーナへの旅(2002)

■西銘郁和(にしめ・いくかず)/詩/1952/教育学部
[著作] 星盗り(1978),西銘郁和詩集(沖縄現代詩文庫9,1992),田里朝直の遠望(1997)

■松原敏夫(まつばら・としお)/詩/1948/法文学部
[著作] 那覇午前零時(1977,アザリア書房),アンナ幻想(1986,海風社)(第10回山之口貘賞)

■宮城秀一(みやぎ・しゅういち)/詩・創作/1948/法文学部
[著作] 詩集=火の味(1978),シドニーにて(1988)
混成合唱組曲=サシバ(1982) エッセイ集=歌のゆくえ(1982)
写真集=フォート・コレクション―コザ残像(1984)

■宮城松隆(みやぎ・まつたか)/詩・評論/1943/法文学部
[著作] 詩集=島幻想(1990),宛先不明(1993),宮城松隆詩集(1995),闇の人影(1999),逢魔が時(2001),しずく(2005)
詩論集=詩語の密度(1994),日常と幻視(1998)


短歌・俳句

■大城 勲(おおしろ・いさお)/短歌/1939/法文学部
[著作]歌集=孤独のピエロ(1968),小さき沖縄(1988,短歌新聞社)

■おおしろ 房(おおしろ・ふさ)(本名:大城房美)/俳句/1955/理学部
[著作]恐竜の歩幅(2001)

■新城 貞夫(しんじょう・さだお)/短歌/1938/法文学部
[著作]夏,暗い罠が(1963),朱夏(1971),花明り(1979),新城貞夫歌集(1998)

■神矢 みさ(かみや・みさ)/俳句/1945
[著作]大地の孵化(1999)

■金城 けい(きんじょう・けい)(本名:金城敬子)/俳句・詩/1945/法文学部
[著作]句集=回転ドア(1996),水の階段,悲喜の器(2005)
詩集=サガリバナ幻想(1994),陽炎の記憶(1995)

■崎間 恒夫(さきま・つねお)/俳句/1932/理学部
[著作]軌跡・我楽多集,句集東廻り(2006)

■新城 森彦(しんじょう・もりひこ)/短歌/1935
[著作]楷の樹(1990,短歌新聞社),郷の海(1995、短歌新聞社),郷に読むうた(2000,文芸書房),茄子紺(2006,文芸工房すばる)

■玉城 洋子(たまき・ようこ)/短歌/1944
[著作]紅い潮(1982),浜昼顔(1989),花染手巾(2002)

■平山 良明(ひらやま・りょうめい)/短歌/1934/法文学部
[著作]沖縄やまとことばの本(1984),平山良明歌集(1987),国語教育と短歌の指導(1989),時を織る(2006)

■平敷 武蕉(へしき・ぶしょう)(本名:平識武勝)/俳句・文芸批評/1945/法文学部[著作]文学批評は成り立つか(2005,ボーダーインク,銀河系俳句大賞),沖縄からの文学批評(2007,ボーダーインク)


映画・演劇

■中江 裕司(なかえ・ゆうじ)/映画監督/1960/農学部
パイナップルツアーズ(1992,日本映画監督協会新人賞,ベルリン国際映画祭招待,サンダンスフイルムフェステイバル審査員特別賞),パイパティローマ(1994),ナビィの恋(1999,第50回ベルリン国際映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞),文化庁優秀映画賞),ホテル・ハイビスカス(2002,東京国際映画祭審査員特別賞),白百合クラブ東京へ行く(2003年),恋しくて(2007年)

■當間 早志(とうま・はやし)/映画監督/1966/工学部
はれ日和(1988,第7回五日市映画祭審査員特別賞),パイナップルツアーズ(1992,日本映画監督協会新人賞),沖縄ポップ伝説―カッチャン―(1999,NHK衛星第2),探偵事務所5”AnotherStoryFile7マクガフィン(2005)

■幸喜 良秀(こうき・りょうしゅう)/演劇/1938/法文学部
演劇集団「創造」主宰

■照屋 京子(てるや・きょうこ)/女優・演劇/1963/法文学部
脚本=Dramatic執心鐘入(1993),いふ〜if〜アネッタイの窓辺に語れる夢は(1997),ぼくらのけっせんの日(1999),カリブシリーズ(2002〜2004),ゴンダールのやさしい光(2005)
エッセイ集=城の上には十六夜月(1995,ボーダーインク)

■平識 晶子(へしき・しょうこ)(本名:与那覇晶子)/演劇学、演劇評論/法文学部
人類館(演出,1983,米国インジシアター),嘉間良心中(脚本・演出,1990,沖縄ジャンジャン)


文芸評論

■仲村清(なかむら・きよし)/評論/1944/法文学部
[著作] 公房と雄高の世界(1983)

■比屋根薫(ひやね・かおる)/文芸批評/1947/法文学部
B'zをめぐる冒険―ヤポネシア論と異族論の行方―(1995,沖縄文芸年鑑評論賞)
[著作] パリ群像(共著,1974)



琉球大学附属図書館報「びぶりお」第41巻第1号(通巻第148号) 
発行日:2008年(平成20年)4月1日
発行:琉球大学附属図書館 編集:びぶりお編集委員会
〒903-0214 沖縄県中頭郡西原町字千原1番地
TEL:098−895−8167 E-mail:kikaku@lib.u-ryukyu.ac.jp